ディスクロージャー研究学会



(青空に物事を晒すと虫干しされ綺麗になる)

文書No.
950624

シンポジウム「証券市場のリストラクチャリング」(メモ)

    吉村光威

    日本財務管理学会(於 フェリス女学院大学) 95/6/24  

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・株式市場不振の構造的問題・
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1.経済の成熟化
高度成長→オイルショック→低成長、バブル崩壊→ゼロ成長
名実成長率の逆転、「資産効果」→資産デフレ→逆効果
2.金融システムの不安  
不況+金融不況
巨額の不良債権の発生→信用不安、政策不在
自己資本比率維持→PKO→株式不振
3.「日本的経営」の危機
「含み」の喪失と担保金融の危機
株式持ち合いの解消
ROEの低下←株主資本の急増・円高・価格破壊・供給過剰
4.規制体制の行き詰まり
PKO
自主ルールという行政指導、自主性喪失、行政の非科学性
5.情報の非対称性
「仲間うち」の「法人相場」ー情報の遍在
エージェンシー・コストの上昇
行政の不透明


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・株式市場活性化の抜本的対策・
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1.マクロ経済対策
国内有効需要創出ーゼロ成長からの脱出ー安定成長への転換
総需要・総供給の管理、個別商品の需給・価格管理を廃止
2.「創造的経営」への転換
物づくりシステム(工業社会)からソフト(情報社会)開発型へ
技術・市場を創造する経営
3.市場のビッグバン
70年代の米国の改革ーNASDAQ、MMF
 エリサ法、手数料自由化、ジャンク・ボンド発行、取引所集中義務の緩和、キャピタル・ゲイン課税の軽減、設備投資減税拡充、NY州の株式取引税撤廃、ゼロクーポン債の発行

「デス オブ エクイティーズ」→「ラブ アフェアー ウイズ エクイティーズ」
わが国の緊急の対策
「自主ルール」(株価形成、時価発行、利益配分・・・)の解除
PKOの廃止ー価格メカニズムの回復、
「官製商品」(300投信=ハイリスク・ローリターン・ファンド)の破棄
業者行政→機能行政、取引所の株式会社化、JASDAQの情報ベンダーへの解放 
4.金融不安の解消
情報公開の徹底、利益相反の解消
不良債権問題の公的資金による早期解決
「規模の経済性」→「範囲の経済性」
5.ディスクロジャーの徹底
系列取引とインサイダー取引
情報の対称性の確保
メーンバンクのチャイナウオールの構築



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