ディスクロージャー研究学会



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文書No.
960708a

都銀、情報開示に消極的

    有価証券報告書記載簡単で抽象的な表記にとどまる

    96/ 7/ 8 日経金融新聞  

 九六年三月期から有価証券報告書での開示を求められている経営上の「対処すべき課題」の記載について、都市銀行各行が消極的な姿勢をとっている。抽象的な表現で簡単に経営計画を紹介するだけのケースが大半。比較的長めに記載したさくら銀行や第一勧業銀行でも二十行未満の記述で、不正取引で巨額損失を出した大和銀行は事件についてわずか一行触れただけ。

 「対処すべき課題」は「企業内容等の開示に関する大蔵省令」の定めにより開示することになっており、各行とも有価証券報告書の「営業の状況」の部分に付記した。もっとも詳しいのは全国銀行協会連合会の会長行であるさくら銀行。「当期において、約九千五百億円の不良債権処理を実施」「平成七・八年度の二年間で行員二千三百人を削減するという目標も当初計画に沿って着実に進ちょく」など具体的に記している。

 大和銀行はわずか十行。「厳しい環境のなか、当行が対処すべき課題は、ニューヨーク事件の教訓を活かし、健全で質が高く存在感のある銀行としての体制を整え(略)」と、事件にさらりと触れるにとどまっている。



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