ディスクロージャー研究学会



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文書No.
960810

大蔵、連結決算の情報開示強化

    持ち分法損益、公表義務付け

    96/ 8/10 日本経済新聞 朝刊       

 大蔵省は連結での情報開示を強化するため、出資比率が五〇%を超える子会社を持たない企業に対しても、同二〇%以上五〇%以下の関連会社に関する持ち分法投資損益の公表を義務付ける方針だ。連結子会社の範囲拡大や連結中間決算の公表義務付けと合わせ、九九年度にも実施する意向。連結重視の経営をする企業の増加に結び付きそうだ。具体的な開示方法は企業会計審議会(蔵相の諮問機関)で今年度中に詰める。

 現在の連結決算では、関連会社は「一行連結」と呼ばれ、株式の持ち分に応じ最終損益と純資産を開示している。このため、子会社を持たない企業の場合は別途連結決算を作らず、単独決算の欄外に持ち分法損益を開示する案が有力だ。

 例えば三井建設は多額の含み損がある不動産を抱え、債務超過が続いている三建不動産という関連会社がある。しかし、連結子会社がないため、連結決算を作成していない。制度が変われば、こうした企業でもグループ経営の実態が分かりやすくなる。

 大蔵省は九九年度にも連結子会社の範囲について、出資比率五〇%超という数値基準に加え、役員の任免権など経営への実質的な支配力も勘案する「実質支配力基準」を導入する。このほか連結中間決算の公表や、資金繰りの状況を示す資金収支表(キャッシュフロー計算書)の作成義務付けなどを検討中。一連の改正事項について今年度内に最終結論を出す方針だ。




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